
今まで問題なかったのに“急に”はさまるようになる理由

「最近、食べ物が歯にはさまるようになった」「今まで平気だったのに急に詰まり始めた」こうした訴えはとても多く、実は お口の中で何かしらの変化が起きているサイン です。一度挟まると歯が少し動き、また挟まりやすくなります。
歯に食べ物がはさまる原因は大きく分けて、以下の4つです。
① 歯そのもの・歯の形の問題

1. 歯と歯の間のむし歯
歯と歯の間にできるむし歯は見えにくいため、気づかないうちに進行しやすい部位です。むし歯が進むと歯が溶けて本来のカーブが失われ、そこに“凹み”ができます。
この凹みが食べ物を受け止める形になってしまい、かむたびに食べ物が入り込みます。
2. 歯の欠け・ヒビ
固い物を噛んだ瞬間に小さく欠けた場合でも、形が不自然になったことで食べ物が引っかかることがあります。
3. 歯の形態の変化(年齢とともに歯の形もわずかに変化します)
歯と歯は本来“強く触れ合わず、適度な接触”を保っています。この形態が変わると、接触が弱くなり、かむたびに食べ物が押し込まれる状態になります。
② 歯ぐきの問題

1. 歯ぐきが下がり、歯間の隙間が広がる
加齢や歯周病によって歯ぐきが下がると、歯と歯の間に三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができます。この隙間は食べ物が入り込みやすく、噛むたびに繰り返し押し込まれることで炎症も起こしやすくなります。
2. 歯周病によって歯が揺れる
歯周病が進行すると歯を支える骨が減り、歯がわずかに揺れるようになります。揺れた歯はかむたびに位置がズレるため、隣の歯との接触関係が変わり、すき間が生まれて“挟まりやすい状態”になります。
3. 歯ぐきの腫れや炎症
歯肉炎などで歯ぐきが腫れると歯間の形が変わり、一時的に食べ物が引っかかりやすくなります。
炎症が落ち着いても元の形に戻らず、慢性的な詰まりにつながることもあります。
③ 詰め物・被せ物の問題

1. 古い詰め物・被せ物の劣化
治療して数年経つと、詰め物や被せ物はわずかに摩耗したり浮いたりします。
特に歯と歯の接触部分が弱くなると、噛むたびに食べ物が入る“決定的な理由”になります。
2. 新しく入れた補綴物(詰め物・被せ物)の形の問題
治療直後から挟まり始めた場合は、詰め物の形態が原因の可能性があります。
隣接面の形が不十分だと食べ物を外に逃がせず、かむたびに押し込まれるようになります。
3. 隣の歯の治療が影響するケース
よくあるのが「治療した歯ではなく、その隣の歯で詰まり始めた」というケース。
新しい詰め物が入ると、隣の歯との微妙なバランスが変わり、それが別の部位の隙間に影響を与えるためです。
4. インプラントが関係しているケース
インプラントと天然歯の間には、時間の経過とともにごく小さな隙間が生じることがあります。天然歯は歯根膜によってわずかに動くのに対し、インプラントは骨に固定されていてまったく動かない構造です。そのため、噛む力のかかり方の違いや歯周病による骨の変化、加齢による並びの変化などが重なると、両者の位置関係に微妙なズレが生じ、結果として“食べ物が詰まりやすいポイント”ができることがあります。
④ 歯ならび・かみ合わせや歯の動きによる問題

1. 一度挟まると歯が動く
食べ物が歯と歯の間に挟まると、その圧力で歯がわずかに動くことがあります。微小な動きでも歯の接触点や歯間の形が変わるため、次に食べ物が挟まりやすくなる悪循環が生まれます。
2. 歯の接触が弱い
歯と歯の間は本来、軽く接触することで食べ物を弾き返す力があります。
この接触が弱い場合(コンタクトが緩い場合)、かむ力だけでは食べ物を外に押し出すことができず、歯間に入り込んでしまいます。軽く咬んだだけでも食べ物が挟まることがあり、フロスや歯間ブラシでの清掃が難しくなることもあります。
これは、加齢や歯周病、詰め物の摩耗などで接触が少しずつ弱くなることで起こります。
3. 歯の位置や並びのズレ
一方で、歯が隣の歯と接触自体はあるものの、接触がズレている場合も、食べ物は挟まりやすくなります。これは、歯の接触点が“理想の位置”からずれているため、歯と歯の間に連続した壁が作られず、食べ物が逃げる隙間ができてしまう状態です。少し斜めに傾いた歯や、歯列の微小な変化によって、噛んだときに食べ物がその隙間に押し込まれてしまいます。
4. 歯並びは“日々わずかに変化している”
歯は固定されているように見えますが、実は成長や加齢、治療、噛み合わせ、歯周病などさまざまな要因で 少しずつ動いています。
特に以下のような時期は歯間が変化しやすくなります。
- 年齢変化で下の前歯が少し重なってくる
- 歯周病で支えが弱くなり歯が動きやすくなる
- 抜歯後のスペースの影響
- 歯ぎしり・食いしばりで横揺れが強くなる
- かみ合わせの影響で歯が動く
こうした“微小な動き”が重なることで、ある日を境に急に挟まり始めることがあります。
原因を特定するのは難しい
歯に食べ物が挟まる原因は一つではなく、複数の要素が絡み合って起こることがほとんどです。歯の形や接触点の状態、歯ぐきの健康、古い詰め物・被せ物の状態、かみ合わせのわずかなズレなど、さまざまな要素が関係しています。そのため、「これが原因です」とはっきり特定するのは難しい場合が多いのです。
それでも歯科医院を受診して欲しい理由

歯科医院を受診することで、問題の可能性を確認できたり、悪化を防ぐ対策を早めに行えたりします。食べ物が挟まるというのは、口の中で何らかの変化が起きているサインです。定期的に記録を取ることで、歯の動きや歯ぐきの状態など変化の経過を把握でき、良い状態へ戻す手助けになります。
来院時どんな治療の流れになりますか?
STEP
問診・症状の確認
どの歯にどんな時に食べ物が挟まるのか、いつから気になるのかなどをお聞きします。日常生活や食事での困りごとを詳しくお伺いすることで、原因を推測しやすくなります。
STEP
診査・検査
実際にお口の中をチェックし、歯の状態や歯ぐきの健康、詰め物や被せ物の状態、かみ合わせなどを確認します。必要に応じてレントゲンや歯周ポケットの検査も行い、見えない部分の異常も評価します。
STEP
考えられる原因のご説明・応急処置
検査結果をもとに、食べ物が挟まる原因として考えられることをご説明します。そのうえで、詰め物の調整や歯ぐきのケア、日常のセルフケアのアドバイスなど、必要に応じた処置を行います。
治療が必要な部位がある場合

虫歯などがあった場合は治療が必要になります。応急処置で処置した部位だけでなく、お口全体のチェックを行い、歯ぐきの状態、むし歯の有無、かみ合わせなどを確認し、必要な治療を整理します。 そのうえで、一人ひとりに最適な治療計画を立て、治療の順序や方法をご説明します。
歯に食べ物がはさまるQ&A
- セルフケアで予防できますか?
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フロスや歯間ブラシで食べかすを取り除くこと、歯ぐきの健康を保つことが大切です。
- 放置するとどうなりますか?
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食べ物が挟まる状態を放置すると、歯や歯ぐきに炎症が起き、歯周病が進行する可能性があります。悪循環を防ぐためにも早めの受診とセルフケアが大切です。
- フロスと歯間ブラシはどちらが良いですか?
-
歯間の隙間の広さや歯の形によって使い分けると効果的です。狭い隙間はフロス、広い隙間や黒い三角部分は歯間ブラシが向いています。

費用
保険診療
診療行為ごとに定められた全国一律の金額です。
赤ちゃんからご年配の方まで、また小さなむし歯から外科処置、そして入れ歯まで、様々なお悩みに対して幅広く対応しております。
自由診療
自由診療では、一般的に保険では用いられないより優れた機材・材料を使用し、より高度な治療を受けることができます。
治療開始前に治療の明細、総額を提示し、ご同意を得たうえで治療を開始します。

















